2021年10月8日(金)、オンライン上で「第31回中村元東方学術賞」と「第7回中村元東方学術奨励賞」の授賞式が行われました。
新型コロナウイルスの感染拡大を理由とするオンライン(Zoom)での式典開催は、研究所初の試みとなりました。
学術賞は下田正弘教授(東京大学大学院)、若手研究者が対象の奨励賞は松川雅信氏(日本学術振興会特別研究員[PD])に贈られました。
下田正弘教授
下田正弘教授は、インドにおける仏教経典の分析から大乗仏教の成立過程を明らかにされた業績、また、近代仏教学の方法論的反省とそれにもとづく大乗経典研究方法の再検討、そしてデジタル時代における人文情報学の推進に尽力された功績により受賞されました。
松川雅信氏は『儒教儀礼と近世日本社会――闇斎学派の『家礼』実践』での受賞となりました。
近世日本社会研究において儒者たちが『家礼』に記載された儒教儀礼がどのように実践されたかを、史料読解と地道な調査研究にもとづいて、詳細かつ広範に論じた労作です。
松川雅信氏
詳しい授賞理由は顕彰事業のページにありますのでぜひご覧ください。
式典において、途中、思いがけずSh. Mayank Joshi駐日インド国臨時代理大使よりお言葉を頂く事になり、その英語を司会の髙橋堯英先生がその場で急遽同時通訳するといった場面もありましたが、オンライン上の開催でも和やかに進み、つつがなく円了となりました。
Sh_Mayank_Joshi駐日インド国臨時代理大使
授賞式には、初のオンラインでの授賞式開催にもかかわらず55名の出席者があり、各々の受賞者を讃えました。
なお、例年インド大使館で開催されていました祝賀会は、前年に引き続き新型コロナウイルス感染拡大のため中止となりました。