慈しみの心を受け継いで
科学技術の発展を追い求めるあまり、人間の心の問題を軽視する風潮が顕著です。
科学では決して答えの出ない「如何に生きるべきか」を考えるため、東方学院は存在しています。
創立者の中村元先生はインド哲学や仏教学のみならず西洋の思想、哲学にも精通した世界的巨匠でしたが、東西の思想の蘊奥を究め尽くして最後に到達したのが慈しみの心(慈悲)でした。
「真に教えたい一人と、真に学びたい一人が集まれば学院は成り立つ」という中村先生の信念から、東方学院はいわば現代の寺子屋として出発しました。
現在は、報酬の有無を度外視して指導に当たる先生方と、年齢、性別、学歴に関係なく集まった研究会員(現役大学生から90歳の方まで)が、先生の理想を継承すべく、日夜、研鑚しています。
一人でも多くの方にこの集いに加わっていただけますよう、心からお待ちいたしております。
公益財団法人 中村元東方研究所
理事長 藤井 教公
北海道大学名誉教授
国際仏教学大学院大学教授・元学長